MACRON WINS「マクロン氏、勝利する」


フランスの大統領選で、中道で無所属のマクロン氏が、極右政党「国民戦線」党首のルペン氏を破り、勝利しました。
このニュースを通して、世論を二分した今回の選挙の争点を概観することができます。

yield to...【~に屈する】
ensure【確保する】
fortify【強化する】
garner votes【票を獲得する】
disssatisfaction【不満】
arouse suspiction【不信感を生む】
promote【促進する】

At 39 years old, Emmanuel Macron is about to become the youngest president in France's modern history.
39歳のエマニュエル・マクロン氏が、間もなくフランス現代史上最年少の大統領に就任します。

The centrist beat the far-right candidate Marine Le Pen in the country's presidential election runoff.
中道のマクロン氏は、フランス大統領選の決選投票で、極右(政党)の候補マリーヌ・ルペン氏を破りました。

In his speech at the Louvre, Macron told supporters the country will not yield to fear or division.
マクロン氏はルーブル美術館(の中庭)に集まった支持者を前に演説し、フランスは恐怖にも分断にも屈しないと述べました。

Macron touched on rebuilding France's economy and ensuring security. He also talked about fortifying France's ties with the European Union.
マクロン氏はフランス経済の建て直しや治安の確保に取り組むとしたうえで、EU=ヨーロッパ連合との関係を強化していく考えを示しました。

Macron does not belong to any of the traditional establishment parties.
マクロン氏は、既存の主要政党には属していません。

Meanwhile, Le Pen garnered nearly 11 million votes, apparently reflecting people's dissatisfaction with the EU and France's immigration policies.
一方、(敗北した)ルペン氏も1,100万票近くを獲得し、EUやフランスの移民政策に対する国民の不満を反映した形となりました。

Macron served as economy minister under President Francois Hollande and has promoted free trade. That aroused some suspicion among workers and young people.
マクロン氏は、フランソワ・オランド政権で経財相として自由貿易を推進してきました。このことが、労働者や若者の間に(マクロン氏に対する)不信感を広げることにもなりました。


◎マクロンとはどういった人物なのか?

絵に描いたようなフランスのエリートです。
・国立行政学院卒業
・投資銀行の幹部、それも副社長レベルまで抜擢される
・経済相に就任 通称マクロン法という通商条約をつくる
・政治運動 En Varche!「前進」を結成

◎フランス マクロン新大統領の課題

・経済再建 rebuilding economy
フランスの失業率は10%、4人に1人は失業中という状態
フランスの企業は一度雇用すると解雇することが難しく、なかなか人を雇用しようとは思わない傾向にあります。
そこで企業が正規雇用者を解雇しやすくして、職業訓練を強化して再就職を促進しようという案です。
しかし労働組合の反発もあるので難しい課題だと思われます。

・治安改善 ensuring security
テロ事件が急増して観光客が激減しました。
移民の問題と思われる部分もありますが、治安を強化することで解決ができると。
そして移民を受け入れるべきだと考えています。

・EU統合の推進 fortifying ties with EU
EU推進派で積極的にグローバル化を進めるべきだという考えです。
ユーロ通貨を利用する国家ごとに共同の議会を持ち、共同の予算を組むべきだとも考えています。


◎フランス大統領選挙の意味
一時はEU離脱派のルペン氏が優位という情報もあり、EUの中枢的な存在であるフランスが抜けることになると、崩壊の危機になる可能性もあった選挙でした。
そういった不安とは逆に、EU推進派のマクロン氏が大統領に就任したことによって崩壊の危機は乗り越えたわけです。
同時に自由貿易を促進して来た経済相だったので反対派からは不信感もあります。

今後は議会選挙があります。
この結果によってどうなるかはまだ不透明感があります。