OPEC AGREES ON OIL OUTPUT CUT「OPECが石油(原油)生産削減で合意」


Oil prices are surging after the world's largest oil cartel agreed to limit production. OPEC members have been trying to bridge their differences on a way to alleviate a price slump.
世界最大の石油カルテルが生産量を制限することに合意したことを受け、原油価格が急騰しています。
OPEC(=石油輸出国機構)の加盟国は、価格暴落を緩和する手段について、方針の相違を乗り越えようと試みてきました。

cartel
国内でのカルテル いわゆる独占は政府により禁止されていますが国家間では世界政府のようなものは存在しないのでカルテルは問題なく行われています。

今回の決定は経済学的に言うと需要と供給を管理することで価格を一定レベルまで上げるという合意です。

Saudi Arabia, Russia, and other major oil producers discussed a possible freeze of production levels in April, but failed to reach an agreement.
サウジアラビア、ロシア、そして他の主要産油国は、生産水準の凍結の可能性を巡って4月に議論しましたが、合意に至りませんでした。

なぜ合意できなかったのか?
OPECの主役はサウジ しかし今回は生産調整で減産というのに応じなかったために価格の低迷が発生した。
そこに来てイランが今まで経済制裁をされていたところ今年になって市場に石油を供給できるように復帰してきたのも大きい。
サウジはイランに生産調整に応じるように指示したが従わなかった。なぜならイランとの関係がある。同じイスラム国でも宗派の違いがあり対立しあってる面もある。

Members of the Organization of the Petroleum Exporting Countries are holding an informal meeting in Algeria.
石油輸出国機構の加盟国は、アルジェリアで非公式の会合を開き、

That's where they decided to limit output to between 32.5 and 33 million barrels a day.
加盟国の生産量を1日当たり3,250万から3,300万バレルに制限することを決定しました。

サウジは教育は無料で税金もほぼない。
しかしそれはすべて石油の利益が支えてきたもので、生産高を減らすということは財政が難しくなることを意味する。
例えば公務員給与を-20%減額など 加えて王政なので政治体制として支持されるのかという問題点も指摘されている。
政治体制が維持できないくらいならば譲歩するしかないというのが急いで処理すべき問題であるという意味でもある。

ただしOPEC間で合意できたとしても他国が6割あるのでロシアなどの賛同は得られるとしてもアメリカなどの自由経済主義圏では到底受け入れられない可能性が高い。
加えてシエールオイルという新興エネルギーの存在も大きい。今までは石油なしでは成立しないと言われていたのが競争力を持つようになってきた。
王政を維持してきたのもアメリカの影響力も大きく その必要性がなくなった時にわざわざ中東にアメリカ軍を派遣する必要性もなくなりつつある。

そうなった時に そうなることを前提に物事を考えると今後は今までのようにいかなくなるのは目に見えている。
中東だけでなく日本も含めて。